こんにちは、山﨑美奈子です。
9月は夏の疲れが身体に表れる時期です。そんな9月を乗り切る「元気」をつけるために、食卓と色の関係を考えてみましょう。
■ 青は食欲減退カラー?
近年、青が「ダイエットカラー」として、箸や食器などの食事まわりに使うと効果がある、と取り上げられたことがあります。
ダイエットカラーといわれる理由は、主に下記の3点です。
1. 天然食材にほとんどない色
茄子は青というよりも青紫ですし、青魚は調理すると別の色に変化します。私たちの食べ物は赤やオレンジ、黄の暖色系が多く、野菜は緑、たまに紫を見る程度で、青い食材はほとんどありません。
2. 味覚と色の関係
人は毎日何かを食べ、そこには必ず色があります。多くの食体験の結果、色と味覚は切っても切り離せない関係ができあがりました。青は腐った食材や青カビなどを連想させるため、特にくすんだ青は「まずそうな色」と感じる方が多くいます。茶色のカレーは美味しそうですが、青いカレーは食べたくないですものね。

3. 照明の色
リビングや食卓に使われる照明の多くは、電球色や白熱色のオレンジがかった色をしています。暖色系の光は、料理を美味しそうに見せる効果があるからです。一方で、青系の色を暗くくすませてしまうというデメリットがあります。
■ 青の効果は使い方次第
青に限らず、色のイメージや効果は、短所と長所を同時にもっています。不用意に使えば短所が出てしまいますが、色の性質を理解して使かえば色の長所を引き出すことができます。つまりは「適材適所」なのです。
青も使い方によっては、食卓に不向きかもしれませんが、食欲が減ってしまう今だからこそ、青を上手に使って食欲を高める方法もあります。
・ 青の清涼感+ガラスの透明感
この時季はコクのある重い食事よりも、ノド越しの良いツルンとした食べ物が欲しくなります。例えば、ゼリーやタピオカ、水ようかんなどはサッパリ系の味覚といえるでしょう。
これらの食品には共通した質感として、透明感や光沢感が挙げられます。前回お話したガラスの透明感ととても近いイメージです。青と組み合わせることで、見た目のさわやかさが際立ち、胃が疲れているときでも食べたくなりますね。

・ 色のコントラストと日本の伝統食器
夏の食卓には、そうめんや冷奴、梨など、白い食材が並びます。白さを際立たせる食器の色は、黒や紺などのような暗い色です。鮮やかに見せる効果もあるので、料理の色が引き立ちます。
藍染め付けの器は広く使われ、藍染めのランチョンマットもよく似合います。簡素なお茶漬けや素麺などでも雰囲気をグッと引き立ててくれますね。

・ 朝や昼の食卓をさわやかにする青
節電の今、朝ご飯やランチ、おやつの時間帯は、太陽の光をなるべく利用したいもの。自然の光の長所は、どの色もナチュラルに見せる効果があります。これなら寒色系のランチョンマットや食器もくすむことなく、キレイに見せることができます。

■ カラーコーディネートは「かさねの色目(いろめ)」で
日本人は昔から季節感を大切にしてきました。今では1年を4シーズンに分けますが、太陰暦では二十四節気といい、季節をより細かく分けていました。特に中世時代の宮廷では、「かさねの色目」が重視されていました。
「かさねの色目」とは、宮廷に参内するときの装束の配色方法です。「宮廷セレブ用ファッションカラーコーディネート術」と言ったほうが分かりやすいかもしれませんね。

この方法では、色の組み合わせが細かく決められ、それぞれ季節にちなんだ草花の名前や文学的な表現などで呼ばれていました。
例えば、十二単のグラデーションや狩衣などの表地と裏地の2色使いなどがそれです。当時は男女問わず、カラーセンスが出世にもかかわったそうです。
今の生活なら、服装だけではなく、インテリアではテーブルクロスとランチョンマットの組み合わせを始め、クッション、カーテン、ベッドまわりなど、2個1組で使っているところにピッタリです。

上の図で、上2組は9月の季節に合わせた色目。葉菊の裏地を、月草の表に使った縹色に変えると「花すすき」と名が変わります。下2組は季節の花ではなく、身のまわりのものからヒントを得た色目です。当時の人々による色への多様な心配りがよく分かりますね。もちろん、かさねの色目はこれだけではありません。ネットなどで検索してみると、皆さんがピンと来るかさねの色目が見つかると思います。
使うアイテムの大きさ、照明環境などに気をつければ、「青」は皆さんの生活に潤いをもたらしてくれます。ちいさな家のインテリア空間では、ちいさなアイテムも室内をデザインするための大切な要素です。皆さんのちょっとした気づかいが季節感の演出に役立ちます。
去る夏を惜しみながら、おおいに 「青」を楽しんでください!